ライム病


この病気は、ダニから感染する病気です。ダニからの感染と言うと、ツツガムシ病や最近別のところで話題になったQ熱が思い出されますが、国外では以前よりあったライム病が、最近国内でも報告されるようになりました。

ライム病を媒介するダニは、家ダニやほこりダニのように目に見えないほどの大きさのダニではなく、マダニという大きなダニです。

ですから、直接、動物が悪いというわけではありませんが、動物が、ベクター(運搬動物)として、働くことがあります。

以前は、都会ではマダニはあまり見られず、猟犬などが山に行ってくっつけてくるというケースが多かったのですが、最近のアウトドアブームにのって動物たちが山野に一緒に連れていってもらっているため、都会でもけっこうマダニの寄生が見られます。

ライム病は、発熱、食欲不振、元気消失、リンパ節の腫脹などのカゼに似たような症状や関節の硬直、疼痛、跛行、皮膚の慢性遊走性紅斑、さらに治療をしないまま放置すると、心筋炎、心膜炎を起こしたり、神経症状が見られるようになることもあります。


予防法の一例

マダニに咬まれることによって感染するわけですから、山野にハイキングに行ったりキャンプに出かけるときなどに肌を露出しないように、長袖、長ズボンを着用するようにしましょう。

マダニに咬まれた場合に、痛みや、激しい痒みを伴わないことがありますので、傷を調べることが必要かもしれません。

動物が運んでしまう場合、まず動物が咬まれるわけです。

あくまでも一般論ですが、犬やネコで、よくダニがくっついている場所は、顔、特に目の回り・耳、首、わきの下・指の間・肛門の周りなどの毛の少ないところに寄生するようですです。大きさは大きめのゴマ粒くらいの大きさから、小さめの大豆位と、様々で、吸血すると大きくなります。

犬やネコに使うノミ取りスポット製剤の中には、マダニに対して有効なものがあります。特に山野に出かける予定がわかっているときなどは、予め、そのようなノミ取り首輪などを犬やネコに付けておくことがよいかもしれません。

動物の体にマダニが寄生していたとき、無理して引っ張って取らないでください。胴体だけ引きちぎれて頭が残ってしまうことが有り、また、ダニの体が壊れるということは、ライム病の原因となる病原体が外界にさらされることになりますから、感染する機会が増えるわけです。

 



マダニの取り方

マダニを殺虫できるノミ取り首輪などを使用する。

犬やネコは、マダニに咬まれている所を触られことをとても嫌がります。引っ張られたりするとかなり痛いようです。

線香や蚊取り線香などをマダニの腹の部分にあて、マダニを殺すと比較的簡単に咬み続けているマダニを取り除くことができます。くれぐれも、動物に火傷をおわさないように十分に注意してください。ダニを除去するためのピンセット状の器具も販売されているようです。