狂犬病(Rabies)


日本では、昭和32年以降発生例を見ていませんが、海外では、かなりの発生例が報告されています。

狂犬病は、犬の病気で犬が悪者のように思われがちですが、狂犬病は、犬だけの病気ではなく、ほ乳動物すべてが感染する病気で、ヒトも感染し発症すると死に至る治療法のない恐ろしい病気です。

そのため、日本では犬での発症例が多かったため、狂犬病予防法という法律により、飼い犬は、登録と毎年の狂犬病予防注射を義務づけました。

そして、日本の場合は、幸運にも、犬のコントロールをしたら日本国内から狂犬病を撲滅することができました。

日本では、狂犬病が撲滅できたため、狂犬病の恐ろしさが風化してきていますが、最近の、海外旅行ブームで海外へ出かける機会が増えている昨今では、注意が必要です。

日本にいる動物と同じように海外で動物と接することは、非常に危険なことかもしれません。

たとえば、1994年のアメリカ合衆国内での報告によると動物の狂犬病症例8224件、人の狂犬病症例6件が報告されています。

全症例のうち、7%(592件)が家畜の症例で、他は、アライグマ,キツネ,コヨーテ,スカンク,コウモリなどの野生動物です。

海外旅行にいって、むやみに野生動物などと接触することは、危険なことかもしれません。現に、1970年にネパールを旅行中に狂犬病にかかった犬にかまれた日本人学生がなくなっています。

最近、日本での発生例がないため、軽んじられる風潮がありますが、航空機の発達と貿易発展によって世界が小さくなってきています。

狂犬病の国外からの輸入を防止するために、動物検疫と国内の犬の抗体価を高める狂犬病予防注射を行っています。

法律によって犬が人をかんだ場合には、届け出る義務があります。また、咬んだ犬が狂犬病を持っていないかどうかの鑑定を獣医師にしてもらわなくてはなりません。

狂犬病予防法により、犬の登録と、毎年1回の狂犬病予防注射を犬に受けさせる義務が飼っている人にあります。

海外旅行などで、むやみに動物と接触しないことが得策かもしれません。