真菌


真菌というと、余りよくわかりませんが、カビのことです。真菌は、大きく分けて、糸状菌と酵母とに分けられます。一般的にzoonosisにすぐ結び付くのは、皮膚糸状菌感染症です。これは、水虫と同じ仲間のカビの感染が起こるわけです。ひとの水虫の場合は、足の指のまたなどに多く発症するわけですが、動物の皮膚糸状菌症は、動物のからだのどの部分にできてもおかしくありません。円形の皮膚病変、特に病変部の周囲がリング状に少し盛り上がっているような病変が見られるときには、糸状菌の感染があるかもしれません。また、よく外耳炎として見られるマラセチア症のような酵母菌に属する菌の感染もチェックしておかなくては行けません。動物の場合、それほど病変部は、はっきりしていないのに、良く調べて見ると、全身の糸状菌の感染があるケースがあります。


動物の皮膚がおかしいなと思ったとき、自己判断せず、動物病院や動物診療所でチェックしてもらってください。もし、動物が感染していた場合、乳幼児やお年寄り、病中、病後の方は、その動物との接触は避けたほうがよいでしょう。体力のある大人よりも感染しやすいかもしれません。通常、真菌症は、それほど難治性の疾患ではありません。皮膚病変が見られなくなっても、真菌の感染が完全に無くなるまで、治療を続けましょう。